竹久 夢ニ おもかけ

わたしは庭へ

眼をやつた。

そこには花も

草もなく

一つの大きな

眼があつた。

わたしは空へ

眼をやつた。

そこには鳥も

雲もない

涙をためた

眼があつた。

わかれの時の

あのひとの

いえいえそれは

のこされた

わたしの泣いた

眼があつた。